ブログ
Maximum Favorable Excursion (MFE)
トレードをクローズする前に到達した最大の含み益。そして、そこから実現損益までのギャップがエグジットについて何を物語るのか。
読了 9 分Tradeways#指標#Playbook
Maximum Favorable Excursion(MFE)とは、トレードがエントリーからクローズまでの間に到達した最大の含み益です。この指標はポイントではなく金額で測られるため、Tickスキャルピングと数時間のスイングを同じ軸で比較できます。実現損益(P&L)だけを記録していると、各トレードが教えてくれることの半分を捨てていることになります。
MFEが実際に測っているもの
MFEは、ポジションが生きている間の含み損益カーブのピークです。フィルからクローズまでのすべての価格を取り、その瞬間に最大の利益をもたらしたであろう価格をマークすれば、それがあなたのMFEです。Tradewaysのジャーナルでは、Databento経由で取得した1秒足のOHLCVバーからこの値を計算し、対象期間内のすべてのバーをスキャンします。それより粗いもの(1分足、5分足)は、ピークを系統的に過小評価してしまいます。
「エントリーとエグジットの間」という点が重要です。MFEはポジションが開いていたバーだけをカウントします。クローズした後に起きた動きは別の指標であり、それが Maximum Continuation Excursion です。この2つを混同するのが、最初に最もよくある間違いです。
実務上の注意が2つあります。MFEは金額で保存されるため(順行したTick数 × Tick価値)、NQの4 TickとESの4 Tickは同じ数値ではありません。Shortの場合、MFEは到達した最安値を、プラスの金額として反転させたものになります。意味するところは常に「あなたが実際に保有したポジションにとって最良の状態」です。
実現損益までのギャップが物語ること
シグナルとなるのは、数値そのものではなくギャップです。実現損益はあなたが計上したもの。MFEは手に入れられたはずのものです。その差が、画面では見えていたのに持ち帰れなかった値動きの一部です。
勝ちTradeでMFEが実現損益を大きく上回っているなら、値動きはそこにあったのに、あなたのエグジットロジックがそれを取り逃がしたということです。MFEと実現損益が近ければ、その動きを上手く保有できたということです。負けTradeで高いMFEが出ている場合は、話が別です。トレードは含み益だったのに、それを往復させて損失に転じさせてしまったのです。こうしたケースは別にタグ付けしましょう。直すべきは分析面ではなく、心理面だからです。
1トレード単位と多数のトレード単位での読み方
1つのトレードだけでは、MFEは逸話にすぎません。エグジットの1秒前に相場が急騰したかもしれないし、しなかったかもしれない。高MFEの外れ値が1つあっても、あなたのエグジットについては何も証明できません。
同じSetupで50トレード以上になると、状況は変わります。実現 / MFE の分布が、あなたのエグジットルールの構造的な性質になります。平均が0.35のSetupは、ターゲットの位置が間違っているSetupです。平均が0.85のSetupは、いじくり回すよりもサイズを上げるべきSetupです。
MFE、MAE、MCEを 3つまとめて 見れば、全体像が手に入ります。MFE単体が答えるのは1つの問いだけです。保有中にお金をテーブルに置き去りにしていないか、ということです。

よくある誤読
トレーダーがMFEを記録し始めたばかりのときに、よく出てくる落とし穴をいくつか挙げます。
- Stop Lossでのエグジット。 トレードがStop Lossに掛かった場合、MFEはたいてい小さく、ほとんど何も語りません。エグジットの質を分析するときは、これらを除外しましょう。
- ターゲットのないトレード。 MFEは、現実的に到達しうるターゲットがあることを前提としています。計画がトレーリングエグジットだったなら、グローバルなピークではなくトレールと比較しましょう。
- サンプル不足。 10トレードでは分布になりません。結論を出す前に、同じSetupでクローズ済みの50トレードを待ちましょう。
- MFEとMCEの混同。 MFEはエグジットで止まります。その後の動きは Maximum Continuation Excursion です。
- 銘柄をそのまま横並びで比較すること。 CLでの200ドルは、MESでの200ドルではありません。銘柄をまたぐときは、順行したTickやR倍数を使いましょう。
それを使って何をするか
MFEがジャーナルのすべてのクローズ済みトレードの横に並んだら、具体的な打ち手が3つあります。
1つ目は、自動で記録すること。手入力しなければならないなら、続きません。Tradewaysのジャーナルはクローズ時に1秒足のフィードから計算するので、メモを書く前にはもう数値がそこにあります。
2つ目は、直近50トレードの 実現 / MFE の分布を、Setupごとに分けて見ること。中央値の比率で並べ替えましょう。そのリストの下のほうが、あなたのエグジットが最も出血している場所であり、同時にプロセスの中で最も安く直せる部分です。エントリーはすでに機能しているのですから。
3つ目は、あるSetupで右側の裾が厚い場合(高いMFEで低いキャプチャ)、そのトレードを3つ開いて、エグジットの瞬間のチャートを見ること。ほとんどの場合、同じパターンが繰り返されています。最初の押し目、最初のキリ番、最初の出来高クラスター。それが、書き留めて検証できるルールです。
その対になるのが損失側、Maximum Adverse Excursion です。MFEは値動きのどれだけを取れたかを教えてくれます。MAEは、それを取るためにどれだけのヒートに耐えたかを教えてくれます。すべてのトレードに、この両方の数値が欲しいところです。
関連

Maximum Continuation Excursion (MCE)
エグジット後、市場はどう動いたのか。MCEは取り逃した値動きを数値化し、エグジットが適切だったのか、早すぎたのかを明らかにします。
読了 13 分
MFE、MAE、MCEの読み方
決済済みのトレードはすべて、3つの数字で語られます。どこまで伸びたか、どこまで逆行する恐れがあったか、そして手仕舞ったあとに何が起きたか。この3つを合わせれば、あなたのエグジットが構造的なものだったのか、それともただ運が良かっただけなのかが見えてきます。
読了 6 分
Maximum Adverse Excursion (MAE)
Tradeが耐え抜いた最大の含み損と、あなたのMAE分布が「Stop Lossが本当に機能しているか」について語ること。
読了 8 分